SIerの5年間の営業利益率の推移から儲かっているのか調査【2022年】

システム開発

主なSIerの利益率が毎年どのように変化しているのか調べてみました。
まとめてくる新たにわかってくることがありました。

直近5年間の営業利益率

超大企業を除きいくつかのSIerを選んで5年間の営業利益率をまとめてみました。
前年度よりも営業利益率が上昇した箇所は赤文字にしました。

20172018201920202021
TIS6.98.19.010.110.2
NTTデータ6.06.85.86.08.3
伊藤忠テクノソリューションズ7.67.98.69.19.7
BIPROGY5.76.98.48.68.6
日鉄ソリューションズ9.29.51010.39.7
富士ソフト5.45.65.76.66.5
SCSK10.210.210.710.311.5
平均7.37.98.38.79.2

まず今回選出した全社において2017年度と2021年度を比較すると営業利益率が上昇しています。
平均で見ると2017年から一度も下落することなく継続的に上昇しています。
SCSKについては2017年度の時点で比較的営業利益率が高く10%を超えています。
TISやBIPROGYにおいては2017年度から2021年度の間に約3%程度上昇しています。

上記より近年はSIer企業全般的に営業利益率が上昇し続けていることがわかります。

SIer営業利益率が上昇した理由

SIerの営業利益率が上昇した理由として考えられるのは、SIer各社ともにより付加価値の高い仕事を積極的に取りに行っている点があります。
現在では特にDX関連の案件を積極的に獲得することで、今までの開発案件に比べてより高い営業利益を確保しているようです。
また、従来型のSIerのビジネスである労働集約型ビジネスから脱却するために、各社ともサービス提供型への転換がどのSIerでも取り組みが進んでいるようです。具体的には従来型のビジネスが大型の開発案件に対して大量に人を投入することで売上や利益を上げる形態であるとすると、サービス提供型のビジネスは、Saasの提供であったり、SIer独自の知見を集約させることで事前に顧客が必要とするシステムして準備して提供するようなイメージだと考えられます。

まとめ

SIerの労働集約型のビジネスが終わりに向かっていると言うことは散々言われていることです。各社はその危機感に気づいており、何かしらの変革が必要だと認識しているようです。
そして実際に変革の効果が少しずつ出てきており、結果として営業利益率の向上に結びついていると考えられます。
まだまだSIerにとってはSaasの台頭など時代の変化による試練が常に降り掛かってくると思われます。SIerが生き残るためには今後も引き続き時代に合わせて常に変化し続ける必要があると考えられ安泰な時代はなかなか訪れなさそうです。

SIerの平均給与について記載した記事もあります。ご興味ある方はぜひご覧ください。

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